女人最初の
足跡を残したお萬の方

日蓮を守護した霊山【七面山 1989m】

山梨山の会/山梨 塩澤 良雄


女人最初の足跡を残したお萬の方

日蓮を守護した霊山【七面山 1989m】

山梨山の会/山梨 塩澤 良雄

 古来、日本人は山に対し、神聖な思いを抱いていた。狩猟や採集で生命(いのち)を与えてくれる山に神の存在を感じ、山に登ることは山の神に礼拝して祈願する神事であった。また、水や生命を育み守る森と山は、人に例えるならば女性であるといわれていた。

 一方、全国には女人禁制の山岳が多かった。「山の神は大変嫉妬深いので、その山に登ってきた女性に取り憑(つ)いてしまう。それを避けるため、厳重に女性の立ち入りを禁止してきた」という。

 なお、七面山への表参道(登山道)は、日帰りではかなり困難である。そのため、参道途中の敬慎院で1泊し、山頂を踏んだ後、往路も参道を下るのが一般的である。

 早川の支流・春木川の渓谷に架かる羽衣橋を渡り、木製の鳥居をくぐる。スギ、ヒノキの巨木の中に木製の階段が設置され、よく整備された参道を登る。ほぼ等間隔で敬慎院まで50個の丁石(ちょういし)が設置されているので、目安となる。

 山頂近くの敬慎院は境内も広く、また随身門前にある遥拝所からの富士山の眺めは格別である。敬慎院から七面山山頂までは、シラベ、コメツガなどの中を道標に従い登ることになるが、展望が悪い。

 そんな霊山登山が楽しいのはそこに山だけではなく、長い歳月に亘(わた)る歴史と祈りがあるからだろう。

随身門前の富士山遙拝所からご来光を拝む信者

 情報・アドバイス

参考タイム 羽衣橋>240分>敬慎院>60分>七面山山頂>40分>敬慎院>140分>羽衣橋
交通 JR身延線・身延駅からタクシーで羽衣橋まで25分、同身延駅から早川町乗合バスで七面山登山口まで50分
問合せ 早川町観光協会0556-48-8633
身延町役場0556-42-2111
立ち寄り湯 七面山温泉 ¥500
ひのや本館:0556-45-2531
ひのや別館:0556-45-2767
2万5千分の1地形図 七面山・身延
出典 登山時報 2016年7月号

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