夏でも涼しい
新緑の渓谷を歩く

日本の滝100選に選ばれた八つの淵が連なる
【比良(ひら)山系・八ツ淵ノ滝(やつぶちのたき)群】

京都洛中勤労者山岳会/京都 小倉 迪夫


夏でも涼しい新緑の渓谷を歩く

日本の滝100選に選ばれた八つの淵が連なる
【比良山系・八ツ淵ノ滝群】

京都洛中勤労者山岳会/京都 小倉 迪夫

 比良山系の幾つかあるコースを、ややロングな変化に富んだルートとして案内しよう。JR琵琶湖線の北小松駅を山手に向かって出発し、比良山岳センターを過ぎ、楊梅(ようばい)ノ滝入り口に着く。ここから樹林帯の登山道をジグザグに登ること半時間で涼峠(すずとうげ)だ。

 ヤケ山への分岐点だが、右側の道を取り、小川に沿った歩きやすい平坦な林に流れが途切れたころ寒風峠(かんぷうとうげ)に出る。鞍部の地形で見通しはないが、ここはリトル比良と北比良をつなぐ縦走路の中間点に位置する。峠を横切り落ち葉の堆積する浅い沢を鹿ヶ瀬(ししがせ)の集落へ降りていく。沢の下部は大きくガレているが、右岸伝いに下降し、河原に流木が埋め尽くされている地点を過ぎると林道に出る。

貴船滝を登る 貴船滝を登る

 すぐに集落の道路に出るので左に曲がり、寒風橋を超えガリバー青少年旅行村に向かう。ガリバー村を通り抜けると深い渓谷に沿う登山道となり、やがて水量のある大きな滝の落ち口・釜に出る。大摺鉢(おおすりばち)だ。

 涼を求め、渓谷美を堪能するのに絶好の場所だ。休憩し離れがたいが、ここから八ツ淵ノ滝群の岩場が続く登りが始まる。クサリ場の登下降やハシゴ、丸木橋、アンカーボルトなどを頼りに登る。

 貴船ノ滝はゴルジュから30mの落差があり、水しぶきも圧巻だ。緊張を要する登りだが、足元や支持金具類が安定しており、慎重に通過すれば安全だ。七遍返(しちへんがえ)しノ滝を通過すれば谷筋を離れ、アスナロの多い緩やかな林を過ぎて、旧比良スキー場に飛び出す。北比良峠を過ぎ、ザレ地の急斜面を下り、石ころの傾斜のある神爾谷(しんじだに)を降りればイン谷口。比良駅まではひと歩きで着く。

大擂鉢に流れ落ちる滝 大擂鉢に流れ落ちる滝

 情報・アドバイス

参考タイム 北小松駅>60分>涼峠30分>寒風峠>90分>ガリバー村>40分>大摺鉢>140分>北比良峠>120分>イン谷口>40分>比良駅 
交通 JR琵琶湖線「北小松駅」は
JR湖西線「近江高島駅」下車、江若バス20分「鹿ヶ瀬道」停留所下車、徒歩80分
土日祝と夏休み期間中はガリバー村までバスが運行される。ガリバー村から徒歩20分
車は、京都から国道1号線、161号線を北進して約1時間20分でガリバー村
問合せ 高島市交通対策課 0740-22-0058
高島市観光振興課 0740-25-8040
ガリバー青少年旅行村 0740-37-0744
アドバイス 掲載の案内はやや時間のかかる変化に富んだコースで、ハイキング向きではない。初心者は、大摺鉢までとすること
2万5千分の1地形図 北小松
出典 登山時報 2016年8月号

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