東国文化の歴史に触れ、
豊かな里山の四季を愉(たの)しむ

別名は富岡アルプス【神成山(かんなりやま)】群馬

太田ハイキングクラブ/群馬 原島 昌司


東国文化の歴史に触れ、
豊かな里山の四季を愉(たの)しむ

別名は富岡アルプス【神成山(かんなりやま)】群馬

太田ハイキングクラブ/群馬 原島 昌司

 群馬県の南西部に位置する富岡市は、東国文化のまほろばとして遺跡なども多く、最近では世界遺産の「富岡製糸場」で一躍その名が知られてきた。市の南面、鏑川(かぶらがわ)の流れと上信電鉄の線路、上信越自動車道に並行して東西に稜線を持つ神成山九連峰は、別名“富岡アルプス”とも呼ばれている。車でも電車でもアクセスがよく、歩行時間も3時間弱と手ごろなコースなので、富岡製糸場とセットで観光をかねて訪れる登山客も多い。

 宮崎公園から西中北の登山口までは車道歩き。のどかな丘陵地帯を抜け、学校との境界沿いのあぜ道を進むとユーモラスな石仏やお不動さん、板碑が迎えてくれる。最初のピークの見晴台は別名“姫天狗”とも呼ばれ、田園風景越しに上信電鉄の二両建ての電車(サファリペイントも)が走り、南に稲含山(いなふくみやま)などの西上州の山々が遠望できる。

 本丸跡を越え、宇芸神社(うげじんじゃ)分岐を過ぎた頃からなだらかな稜線歩きが一変、急なアップダウンが続く。高低差は小さいがさすが富岡アルプス、所々南側が急峻(きゅうしゅん)な崖になっているので、ちょっとしたスリルも味わえる。

 宇芸神社跡から北向きの石碑がある打越(うちこし)の御嶽さんを越えると、絶滅危惧種の日本翁草(おきなぐさ)が自生する鞍部(あんぶ)へ出る。開花の季節は3月中旬から4月上旬、種子期に長いひげを伸ばすことからその名が付いたらしい。ほかにミツバツツジやシュンラン、ヤマツツジ、ウチョウランなどが春から秋にかけて咲き誇る。

 大サボテンの家を過ぎたら、中仙道の脇往還として賑わった別名“姫街道”の一般道で帰路につく。途中大賀蓮(はす)の苗を分根した「古代蓮の里」で一休みしたあと、宇芸神社を参拝。民家の軒先には季節の花々が咲き乱れ、路傍の道祖神や石仏が微笑みかけてくる。「日本一美しいハイキングコース」と書かれた看板が随所にあった。まさに看板通り、地域の人たちのふるさとの山に対する愛着と、旅人への思いやりが感じられる里山コースだ。

 情報・アドバイス

参考タイム 今畑登山口>50分>笹峠>60分>近江展望台>50分>最高点>10分>山頂>20分>お虎ケ池>70分>汗拭き峠>20分>落合>10分>今畑登山口
交通 名神高速道路 彦根ICで下車、国道306号線を南下し、久徳で地方道17号線で落合に向かう。落合手前の霊仙山への登山道の表示あり。民家はなく、倉庫風の建物が川沿いにある。
問合せ 米原市役所商工観光課0749-58-2227 榑ケ畑登山道の汗拭き峠から落合(多賀方面)の通行可否については観光課に問い合わせること。
アドバイス 残雪の多い年にはワカンが必要、露岩などが多いのでスノーシューは不利。悪天時はホワイトアウトするので注意すること。
2万5千分の1地形図 霊仙山、彦根東部

 ミニマップ

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